riccaのつながり

01 米の市原夫妻

市原伸生(以下、伸生):一番のこだわりは合鴨農法で化学肥料と農薬を使わないことですね。
味の差はめちゃくちゃ出ないとは思うんですけど、やはり農薬を使用しないことで健康面が一番ですね。


正直、草刈りはかなりきついですけど、収穫する時の嬉しさに勝るものはない。
美味しいお米は、艶もあるけど、炊き上がりが違いますね。湯気の感じが違うと思います。
お米の甘さとか、優しさとか。噛んだ時の粘りとか。
何だろうね。やっぱり、香りなんだろうね〜。香りが凄く良い。

伸生:米の味の違いは「水」の影響が一番大きいんじゃ無いですかね。
うちの使っている水は山から近い。水は山から海に向かって流れてきます。
やっぱり山に近ければ近いほど良い水だと思いますね。事実、海に近いところのお米と味が全然違う。


あとは「水の量」。米作りで田んぼに入れる水の量は僕しか出来ないんです。
凄く微妙なところで調整していますね。
そこは本じゃ学べないところですよね。経験して学んでいくしかない。
こうじゃないとダメっていうのは無いんです。



市原:基本的に炊く水もその地で取れたお米はその土地の水で炊くのが一番美味しいと言われていますね、
やっぱり相性が一番いいって。


熊本に帰って来てより一層、素材を生産者目線で見るようになりました。
スーパーよりも、生産者さんから直接買いたいなって思うようになりました。
それは、想いを聞きたいし、美味しいし。力強さがあるし。
最近使っている素材は本当に熊本県内のものが多いですね。

市原:伸生夫妻のお米を使った米粉でフィナンシェマドレーヌの試作を何十回、何百回としています。
日が経つと味が全然変わってくるんですよ。焼き菓子って、実は日が経った方が美味しい。
2週間以上たった方が凄く美味しくなっていて。


でも実は米粉の食感の良さが一番出るのは焼きたての時なんです(笑)。
お米も食べる前に精米した方が美味しいので、一緒ですね。


挽きたての方が米粉自体は美味しいですが、焼き菓子としては日数が経って熟成した方が美味しい。。。
そのバランスがすごく難しくて。。。



伸生:フィナンシェマドレーヌを初めて食べた時の感想は、
素直にすごく美味しいと思いました。
フィナンシェとマドレーヌ。僕たち夫婦をイメージして作ってくれたみたいで笑。


中の食感はもちもちしていて、外は米粉が入っているので良い感じの硬さが出ます。
味にも深みがあって美味しい。
僕たちの愛情込めて作ったお米をこんな形で変えてくれるのであれば生産者冥利に尽きますね。